
どうもヤジキタです。
今回は昨日無事に観劇する事ができた月組公演『フリューゲル』の感想です。
早速、『フリューゲル』のストーリーについてですが、
正直、観るまでは全く期待していませんでした!w
ぶっちゃけ齋藤吉正作品は、
ショーは最高に面白いのだけれど、
芝居の方は…w
特に19年月組『夢現無双』の時のトラウマがヤバすぎて期待するどころか警戒すらしていたのですが今作は非常に良くできていたと思います。
ぱっと見は、
アイドル歌手の存在がベルリンの壁崩壊に繋がったなんて非現実的でご都合主義の夢物語だろ!
とも思えますが、実は史実でも実際に似たような事があったんです。
1987年・ベルリンの壁崩壊の2年前にベルリンの壁の西側で(流石に東側ではないですが)、今作に出てくるナディア(海乃美月)の様にコンサートを行った歌手がいます。
それはイギリスのロック歌手のデビッド・ボウイです。
ベルリンの壁の目の前で行われた路上ライブには8万人もの西ベルリン市民が訪れただけでなく、東ベルリン市民5千人も壁の前に集結するなど異例の盛り上がりを見せました。
流石にその場で壁を破壊する運動には発展しませんでしたが、大規模集会禁止されていた東ドイツにあっても東ベルリン市民は警察の退去命令には決して従わなかったそうです。
なのでナディアにキャラクター像というのも、あながち空想では無いんです。
また劇中とは違ってベルリンの壁崩壊後ではありますが、
世界的音楽家レナード・バーンスタイン指揮の下に東西ドイツやアメリカ・ソ連などの混成楽団によって、『フリューゲル』ラストに歌われた「歓喜の歌」を含むベートーヴェンの通称"第9"が演奏された史実も、この作品には反映されています。
また鳳月杏演じるヘルムートは東ドイツと共産主義に忠誠を誓うが故に壁が崩壊すると共に自ら命を絶ちますが、
個人的にあのシーンは、現在のロシアの独裁者ウラジミール・プーチンに対する揶揄の様に思っております。
プーチンはベルリンの壁崩壊の際にはソ連の諜報機関KGBの工作員として東ドイツのドレスデンに駐在していたそうです。
劇中のヘルムートはドイツの秘密警察シュタージ所属ではありますが、
シュタージは実質的にKGBの下部組織であり、シュタージがソ連人であるプーチンに東ドイツの身分証明証を発行させていた事実もあります。
今では独裁者として君臨するプーチンも、当時のベルリンの壁崩壊時には本国ソ連への軍事介入要請も受け容れられず、ただただKGB事務所を取り囲む東ドイツ市民を前に重要書類を燃やして逃げ去る事しか出来なかったそうです。
その後に続くソ連邦解体の嵐の中で己の無力感に打ちひしがれたからこそ、歪んだ記憶と情念の元に現在のEU拡大に危機感を覚えウクライナに侵攻したとも囁かれています。
そうしたプーチンに対する揶揄も込めてヘルムートを信念に忠して死を選ぶキャラクターとして描いたのではないでしょうかね。
(知らんけどw)
この様に、
一見すると『推しの子』よろしくアイドルキャピキャピや「ちるちるみちる」など、
トンチキ感が強い作品に見えるが、
実は史実をオマージュしながら、上手いこと宝塚に落し込んだ笑いあり感動ありの傑作だと個人的には思っております。
正直ストーリー的にも、
この作品が月城かなと&海乃美月の退団公演演目でも良かったんじゃね?
と思うくらいの出来だと感じるのですが、
果たして『Eternal Voice』がこの作品を超えられるのか心配になりますね。
相変わらず齋藤先生の個性全開の『フリューゲル』ではありますが、
当初の期待値を大幅に超えた素晴らしい作品だと思いますので、
ご覧の予定が無い方も是非配信等で騙されたと思って1度は観て頂きたい作品です!
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