どうもヤジキタです!

今回は先日の雪の中のマチソワダブルヘッダー観劇の『海辺のストルーエンセ』の感想でございます。


まず初めに今作は作品紹介の時点からかなりのシリアス展開になるものと思っていましたが、結論から言うと1幕と2幕ではかなり物語の趣きが変わる作品でしたね。

1幕は普通に学園モノ的なノリの青春劇だったので、

あれ? 想像と全然違う内容なのかな。

っと思ったのですが、2幕になると突然シリアスさが増して主人公であるストルーエンセが一気に奈落の底へと落ちていく展開に。


1幕はストルーエンセがその魅力を使い徹底的に頂点へと上り詰めて行くが、2幕ではその傲慢さから一気に破滅へと突き進んでいくさまは、さながら『ひかりふる路』(望海風斗主演)のロベスピエールの様である。


ストルーエンセもロベスピエール同様に理想と現実の間でもがき苦しみながらも、愛する人の為に破滅を受け容れるエンディングは、正直、『ひかりふる路』に似ているといえば似ているが1幕の明るく前向きなノリからの、2幕の陰鬱とした展開は個人的に『ひかるふる路』よりも好きですね。(『ひかりふる路』は音楽は良いんだけど、ほぼオリジナルのストーリーはそんなにね…)

それでも見終わってまず思ったのは、
これって『ひかりふる路』で朝美絢が演じたサン=ジュストのアナザーストーリーじゃね?、
って事でした。







前半では心が純粋が故に古き慣習に反発し、国王クリスチャン(縣千)や王妃カロリーネ(音彩唯)と親交を深める中で啓蒙思想に傾倒し世界を理想の世界へと導こうとする


後半は理想の為なら手段を選ばず、親交を深めたクリスチャンすらも自らに都合よく操っていく傲慢な本性をさらけ出し、最期は愛するカロリーネと、理想の世界のために自ら死を受け入れる。


その姿はロベスピエールに心酔し、彼の思い描く理想のためなら例え自らの手を血で染めても構わないとするサン=ジュストにそっくりである
(最期の部分だけはサン=ジュストじゃなくて、むしろロベスピエールのオマージュかな)

たぶんフランス革命の時代にサン=ジュストを主人公にする作品があるとすれば、このストーリーになるでしょうねw


書けば書くほど『ひかりふる路』とそっくりだと思う反面、

『ひかりふる路』ではロベスピエールをなるべく善人に描こうとした所とは違い、本作では決してストルーエンセを無理に善人として描こうとはとせず、人権や平等を語る理想の中にも傲慢さと独善性が混在しているという姿を惜しみなく描いている。

決してお花畑なラストにはせず、破滅をそのまま観客に見せるスタイルは指田先生の刹那的な作品の醍醐味である。


かなりのべた褒めになってしまいますが、個人的には最近観た別箱1本物作品の中ではダントツの傑作と言っても過言ではないと思います。

ストーリーに関しては『ひかりふる路』の焼き増しと言われても致し方ないと思いますが、所々で指田先生のセンスを上手く織り交ぜているので、一概にパクリだとは思いませんでしたね。




本当はキャスト評も書きたかったのですが、長くなってしまうので次に回したいと思います。

しかし、横浜流星主演の『巌流島』も期待以上の内容でしたので、一日でこの傑作2本を観られたのは本当に幸せなことだったと思います!

ちなみに『ひかりふる路』の新人公演を演出したのは指田先生でしたので、その時から心の中では本当はこんなストーリーにすれば良いのにな~なんて思っていたのですかねw


指田先生に関しては『龍の宮物語』『冬霞の巴里』と傑作を連発しているので今後もかなり期待できる演出家だと思うので、あまり才能を枯渇させない程度に新作を書き続けて欲しいと思いますw



駄文長々失礼いたしました。

それでは皆さま劇場でお会いしましょう!




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