どうもヤジキタです!
以前のように2日に1回は記事を出せるように頑張りたいな!
てな事で、前回・前々回記事の続きでございます。↓
今回は雪組「蒼穹の昴」のメインキャストの脇をがっちり固める別格スターたちと、その演じる役について色々と語りたいと思います。
脇を彩るサブキャスト編
- 諏訪さき(譚嗣同:タンストン)
出番は少ないものの物語上最も涙を誘う場面を任されて、縣千演じる光緒帝よりも観客の記憶に残る存在に。
フィナーレの群舞でもしっかりと朝美絢・凪七瑠海・和希そら・縣千らと共にスポットライトが貰えており、99期はあまり扱いが良くないと言われる中でも、案外大事に扱われている印象。
縣千には抜かれてしまったが、下はまだまだ上がってはこなさそうなため、しばらくは今の位置で活躍するのかな。
(個人的には歌うまさんなので歌要員として花組の帆純まひろ辺りとトレードされそうな気がするのだが・・・)
そんな歌うま譚嗣同さんですがw 原作では超泣き虫で色んな人の身の上話を聞くと号泣した挙げ句、お金もないのにいろんな物を恵んであげちゃうとってもいい人なんです。
しかしその光景を見た玲玲(朝月希和)にこの人と結婚したら大変そうだと呆れられてしまいますw
普段からオドオドしていて泣き虫な譚嗣同さんですが、栄禄(えいろく:悠真倫)がクーデターを起こそうとした時に袁世凱(えんせいがい:真那春人)に救援を請うか否かで揉めた時に自ら志願して使者になります。
実はこのシーン、宝塚版では梁文秀(彩風咲奈)が担っています。
康有為(かんようえい:奏乃はると)は袁世凱(真那)を頼るべしと言い、梁文秀(彩風)は袁は風見鶏なので止めるべしと対立します。(文秀自身が袁を頼るべしと説得に赴く宝塚版とは立場が全然違いますよね。)
しかし譚嗣同(諏訪)はどっちにしろ袁の援軍無しには栄禄(悠真)に抗えないとして説得の役目を買って出ます。
袁世凱(真那)と対面した譚嗣同(諏訪)は普段のオドオドとした姿とは一変して別人のようになり天下の行く末こう在るべしを説き、その為なら命も差し出すつもりであると語り、袁に怖くはないのかと問われると地位も夢も、なにより愛する人を得た今なぜ死ぬことが怖かろうかと答えて去ります。
しかし嫉妬と猜疑心の中で生きてきた袁世凱(真那)にとっては譚嗣同(諏訪)の清々しい姿はあまりにも眩しすぎたのか、その答えに怒り栄禄(悠真)に付くことを選んでしまうのです。
宝塚版ではガッツリ出番を主役の梁文秀(彩風)に盗られてしまっていますがw
諏訪さきくんは実にいい役を貰えたなと思っていますよ。(脳内補完を含めれば)
- 一禾あお(王逸:ワンイー)
もはや雪組七不思議の1つに数えても良いくらいに謎に扱いが良い彼女ですが、まさか組替えしてきた同期の新公主演者咲城けいを抑えてこの役を貰えるとは驚きでした。
しかも102期最後?の新人公演でも咲城けいを抑えて2番手の春児(朝美絢)役を取るなど、完全に雪組伝統の強強別格コースに乗っていますね。
ところで一禾あおって物凄く滑舌がいいですよねw
非常によく通る声をしているし、舞台上でも堂々と芝居をしているのでそう云う所が評価されているのかな?
ここまで言うのだから当然、王逸は原作でも準主役級の人物です。
宝塚版では最後に李鴻章(りこうしょう:凪七瑠海)のお供として登場しますが、あれはオリジナルです。
原作では日清戦争の敗北で失脚した李鴻章(凪七)と共に下野して隠遁生活を送ります。
後に白太太(パイタイタイ:京三紗)に袁世凱(真那)は清を滅ぼす凶星であるとの予言を聞かされた李鴻章(凪七)に袁を暗殺せよと命じられる。
しかし暗殺に失敗し、ある村に幽閉されそこで聾の少女と出会います。
少女との交流の中で生きる意味を問い直した王逸(一禾)は少女の助けで脱獄し自らの存在意義を探す旅を始めます。
そして天津にも北京にも戻らずに、死に場所を求めて辿り着いたある村で、後に世界の歴史を大きく変える1人の少年に出会います。
それが誰であるかは、是非ご自身で原作を読んで確かめてみてください。
といった様にしっかりと個別エンディングまで用意されている登場人物なので、この配役はなかなかの大抜擢だと思いますよ。(原作的には途中退場する順桂(シュンコイ:和希そら)よりも役の格は上なのでは?)
- 一樹千尋(西太后・慈禧:せいたいごう・ツーシー)
原作を読んだ人なら春児(朝美)に次ぐメインキャストは誰かと聞かれれば100人中99人くらいがこの西太后と答えるであろう程の今作品のキーパーソン。
原作ではステレオタイプな悪女と純粋な1人の女性の二面性を使い分ける世界一孤独な独裁者。
恐らく原作者の浅田次郎氏がとても強い思い入れを持って描いているであろう西太后。
500人近くのタカラジェンヌがいるがこの役を務められるのは一樹さんか宙組組長の寿さんくらいかなと思うほど見事に西太后を演じておられる。
宝塚版では公演時間の都合上1人の女性らしい姿の部分は大幅にカットされてはいるものの、ソロナンバーで載湉(ツァイテン:縣千)に対する強い母性を見事な歌唱力で歌い上げるなど、いわゆる本専科の人にあっては破格の扱い。
パレードでも人一倍多く拍手を貰えているのはただ単に専科であるからでは無いのである!
原作では栄禄(悠真)や李蓮英(りれんえい:透真かずき)とトリオを組んでw、時に面白可笑しく、時に冷徹に物語を紡いでいく影の主役。
かつての許嫁である栄禄(悠真)に女心をくすぐられて、時には暴走してしまうが、ある一つの信念に基づき傾国の清王朝の頂点君臨する。
宝塚版には描かれていない真のエンディングでは光緒親政を終わらせて、李蓮英(透真)に代わり大総監になった春児(朝美)に白太太(京)の予言通り紫禁城にあるすべての財宝はお前のものだと語る。
予言の為に失った多くのモノに想いを寄せて、自分はなぜ宦官になったのか?、何のために今まで生きてきたのかを嘆き悲しみ、お宝なんて要らないと10歳の子供のように泣きわめく春児(朝美)に対して慈禧(一樹)はまるで仏のような優しさを込めて、春児(朝美)にある秘密を打ち明け、そして金銀財宝よりももっと大切なあるものを渡します。
そして皇帝の龍袍を羽織った慈禧(一樹)は三度目の高御座(たかみくら)へと登る。
中華王朝4千年の歴史を締めくくる最後の女帝として。
いや~本当に壮大な世界観と物語には感嘆を覚えざるを得ませんが、舞台として実写化されると登場人物の顔が見えることで、尚の事物語に深く入り込めますよね。
まだの人はぜひ原作読んでみてください。
さらに脇を彩るサブキャスト編
- 夏美よう(楊喜禎:ようきてい)
李鴻章(凪七)の方が年齢的にも合っているように思うが、出番的にはこちらが妥当か。
原作では梁文秀(彩風)の義父になるが、宝塚版では改変されているためにやや出番減。
暗殺シーンもちょっと違くて、銃で狙撃されるのではなく、西太后(一樹)からの賜り物と偽られた靴に仕込まれた毒サソリに刺されて死にます。
こちらの方がアジアン後宮サスペンス感があっていいですよねw
- 透真かずき(李蓮英:りれんえい)
小物界の大物として太監のトップに君臨する男(両性?)w
小物界の大物らしくみんなから小李子(李の小僧たれの意)と影で呼ばれる。
透真かずきはアダルティな顔とは裏腹に意外と声が高いので、男性ホルモンを失った宦官の役は似合っている。
表情の作り方も嫌味たらしく小物感がよく出ていて尚のこと良し。
日舞の名取らしく扇を使ったフィナーレの群舞は実にお見事。
宝塚版では神輿に担がれて唐突に梁文秀(彩風)にお前に頭を下げることは無いと言い放ちますが、原作ではそこに至る経緯もちゃんとあります。
宝塚版同様、神輿に乗って現れた小李子(透真)は小物界の大物らしからぬ態度で文秀(彩風)に対して試験がんばれよと声をかけますが、去り際に呆然と立ち尽くす春児(朝美)に文秀(彩風)が、(李蓮英に)頭を下げろ小李(春児の姓も李)と発してしまいます。
これには周りの太監たちも凍りつきますが、文秀(彩風)の謝罪に、「まぁ李家のものは子供の頃は皆誰しも小李だからな」、っと至って冷静に対応しますが、最後に「それでも私がお前に頭を下げることは永久に無いがな」っと小物界の大物の威厳にかけたセリフを言い放って去っていくのでしたw
進士ら官僚の方が宦官より地位が上のため、例えその卵とはいえ文秀(彩風)を罰する事が出来なかったのでしょうが、これが一太監ならきっと死ぬまで棒叩きの刑だったでしょうねw
- 真那春人(袁世凱:えんせいがい)
こちらは大物界の小物w
真那春人は顔がさっぱり清潔感があるので、嫉妬や科挙に落ちた劣等感を出すのがやや難しかった印象。
原作では日清戦争中に王逸(一禾あお)に援軍を請われるが、これを無視したことで王逸を敗軍の将に貶め、李鴻章(凪七)の後継に収まる。
実は宝塚版の日清戦争の敗戦シーンでも李鴻章(凪七)の横で、すがりつく味方の兵士を蹴り飛ばしている。(なかなかに芸が細かいw)
史実では、後にこの人は清帝国を滅ぼした中華民国の初代大総統になり、さらに調子に乗って中華帝国を建国し初代皇帝になります。
しかし内外からの反発を受けてわずか3ヶ月で退位し、そのまま失意のまま死去します。
小物感こそ満載ですが清国の一兵士から皇帝にまで上り詰めた男ですので、この作品の、「持たざるものから全てを手にする者へ」、そして「栄えるものもいずれは滅びる」という重要なテーマの一つを現実に体現した存在なのかもしれません。 - 聖海由侑(蘭琴:らんちん)
原作では春児(朝美)が去勢する前に出会う美しき少年。
ヤジキタは聖海由侑くんの顔がお気に入りなので、この配役には大いに納得w
春児(朝美)とは口移しで飴を分け合うBLシーンもあり(2人共去勢前だからBLだよね?w)
原作では一足先に去勢して宮中に出仕する(ゆえに老公胡同には元々居ない)
が、宮中でも春児(朝美)のことを兄さんと呼び義兄弟の契りを交わして交流を持ち続ける。
宝塚版では分かりにくいが西太后(一樹)の側近となった春児(朝美)とは反対に光緒帝(懸千)の側近となるために光緒帝のシーンでは後ろに控えている。
ラストでは全てを手にした春児(朝美)とは裏腹に、栄えるものの影には衰えるものありを体現するように不幸な結末が待っている。
またしても長くなってしまったので更に更に続きますw
本当に語りだしたら止まらなくなってしまう本作品。
まだまだ公演は続きますので、原作を読んでいない方は是非一読してくださいませ。
皆さま次で必ずラストにしますのでどうかお付き合いくださいませw
駄文長々失礼いたしました。
それでは皆さま劇場でお会いしましょう!
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コメント
コメント一覧
次も待ってますので、頑張ってくださいませ。
コメントありがとうございます!
改めて読み直すと色々発見があって良いですよ。
キャラクターの顔が簡単に想像つくと読むのもはかどりますしね。
まぁ朝美絢の顔に言わせるには若干不適当な表現も多々ありますがw