どうもヤジキタです。

今回は2022年3月27日に大千秋楽を迎えた月組公演『今夜、ロマンス劇場で』を思い返したいのに、いつまで経ってもBlu-ray・DVDが発売されない為に、本家『今夜、ロマンス劇場で』を見て、宝塚版『今夜、ロマンス劇場で』をなんとなく思い出せた男の公演評です。




まず一言いわせて欲しい

「いつでるんよ、Blu-ray!?」

「なげ~~~スッ!」

みなさん、もう1か月以上経ってるんですよ、千秋楽から!

普通、宝塚の円盤って東京の千秋楽の1週間前くらいには発売されますよね。

近年では、発売が遅れても千秋楽から1か月後くらいには発売されているというのに、『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』に至っては千秋楽から1か月経っても、いまだに発売日すら決まっていないんです!

だいたい発売の案内が発表されてから、1か月半後くらいに発売されるので、仮に5月中に発表されたとしても、早くて7月ごろとなってしまいます。

たまに別箱公演が異常に長い期間、発売の案内がされない事はありますが、大劇場公演でこれだけ延び延びになるのは前代未聞ではないでしょうか?

まぁ、原因ははっきりしていてロマンス劇場ではなく『FULL SWING!』の方ですよね。

ショーの音楽関連の著作権で揉めることは、ままあることですが、『FULL SWING!』を演出した三木先生は本当に常習犯です。

ジャズや洋楽に強いこだわりがあるのはわかるのですが、あの界隈は非常に権利関係が厳しいことは、素人でも知ってる事なのに、何年も宝塚に居てもそうした事への配慮が出来ないのは、いささかどうかと思っちゃいますね。

舞台は本来、生で見るものなんだから円盤のことなど知らん!、って思いなのかも知れませんが、宝塚は基本的に円盤を出すのが当たり前(大劇場作品は特に)なのですから、危なそうな場面は初めから原詞にするなどの対応をしてもらいたいです。

ちょっと不満を爆発させ過ぎましたが、それほどに『今夜、ロマンス劇場で』が見たかったんですよ~

観劇する前は『FULL SWING!』が楽しみだったんですが、いざ観ると『今夜、ロマンス劇場で』が想定以上によくできていたので、改めてBlu-rayでしっかり見たいと思い続けているんです。

宝塚クリエイティブアーツの皆様、どうそよろしくお願い致します!

本家との違い


そんなことで、本家『今夜、ロマンス劇場で』がAmazonプライムビデオにあったので見たんですが、

まぁ~ここまで、中身が一緒だとは思いませんでしたわw

そもそも、上映時間も1時間40分程度なので宝塚の公演時間とほぼ同じですから、そりゃほとんど変わりませんわな。

しかし、暁千星演じる大蛇丸の存在や、美雪(海乃美月)無き後の映画の世界の描写など、宝塚スターシステムに最大限配慮した違いなども知れて、これはこれで見ておいて正解でした。

るう組長(光月るう)演じる劇場館主本多と最愛の人との描写などはむしろ宝塚版の方がよいなと思う反面、大蛇丸(暁)やディアナ(晴音アキ)などオリジナルキャラの存在で、チープさが出てしまったのはやや残念である。

それでも、ストーリーはほぼ本家通りで、オリジナルキャラの存在も話を大きく破綻させる訳でもないので、

まぁ上手いこと、まとめたなといった所でしょうか。


鳳月杏ってやっぱ良いわ


鳳月杏演じる俊籐龍之介が、まさか本家でも妖怪ミュージカルに出演しているとは思いませんでしたw

しかも、メロディも歌詞も一緒だし、ほとんどのセリフ・所作も変わらないのには驚きました。

本家同様の変わり者俊籐を平然とコピーして、かつ宝塚的な所作をさりげなく入れて演じる鳳月杏は、やっぱり器用で歌って踊れる素晴らしいスターだなと感じました。(むしろ本家よりも個性が強い気がするw)


キャスト別評


あの~宝塚版『今夜、ロマンス劇場で』を見たわけではないので、なんとなく思い出した感想程度しか言えないんですが、とりあえずキャスト別評です。

月城かなと:みなさん月城かなとの売りってなんだか分かります?

ヤジキタ、実はあまり分からないんですよね。

礼真琴のように歌って踊れるわけでも無く、柚香礼のような尖った美しい顔でもなく(月城かなとも美人ですよ勿論)、朝美絢のようなキラキラオーラがあるわけでも無い、桜木みなとのように全ての事で平均点以上は取れるといった印象もない、まして2番手の鳳月杏は何でもできるアダルティな技巧派と、月城にとってはやや厳しい環境に置かれてるような気がするんですよね。

そんな月城は、やはり芝居力で勝負しないと他との違いが出せないと思うんですが、この公演はほとんど本家と中身もセリフを変わらず、本家の真似をしていれば大コケはしないな、という無難すぎる作品であったとヤジキタ気が付いちまいました。

次の公演も『グレートギャツビー』と過去の再演ものなので、だいぶ劇団の方も月城をどう取り扱うかを迷っている感が見え隠れするんですよね。

次回作も過去の真似をするだけの演技になってしまうと、月組と月城かなとの人気ってどうなっちゃうんでしょう?

なんとか次の『Rain on Neptune』と『グレートギャツビー』で月城かなと、といえばコレだねってものを見せないと、前任者のように中途半端な感じで終わってしまいそうで不安です。

海乃美月:綾瀬はるかと並べても見劣りしない美貌が最大の売り。

歌やダンスは、ほどほどではあるが学年的に何作もは続けないと思うので自分の武器を最大限生かして最後の輝きを謳歌している感じ。

残念なのは月城を引っ張る様な姉さん感は無いため、やはり月城自身が頑張らないといけない。

鳳月杏:新人公演の主演が実質半回、組事情で都合良く組替えさせられるなどの、苦労の成り上がり人のためか、月組と月城をしっかり支えようとする意気込みは評価できるが、やや月城かなとを喰ってしまっている感がある。

まるで前体制の珠城りょうと愛希れいかの関係にも似て、愛希が頑張れば頑張るほど、珠城が霞んでしまったあの頃の状況と同じにならないかがやや不安である。

上級生2番手の置かれた立場は非常に難しいとは思うが、いまの月組が前体制の二の舞にならないような形で月城を支えてほしい。

暁千星:数少ないオリジナルキャラのため、生き生きと演じていた印象。

1人だけキャラものな風体なのも、コスチュームの星組に移動するための布石か。

星組では個性が真逆な、瀬央ゆりあと2番手を争うと思われるので、礼真琴も得意とするダンス・歌だけではなく、芝居の面でも瀬央に差をつけられるように次回作『ブエノスアイレスの風』で正塚先生に鍛えて貰いたい。

光月るう︰さすが組長!

お爺さんからお婆さん、オネエ様!?から老武士まで何でもこなせる、月組No.1の名脇役。

この役は本家では柄本明が演じており無骨で不器用、でも何となく優しさもにじませる館主といったイメージだが、

るうさんが演じると、無骨さなどよりも、優しさや人の良さが前面にでていて、それはそれで観ている者に好印象と安心感を与える。

全体的に本家の模倣をしているだけの演者が多い中では、唯一本家との雰囲気の違いが感じられる。(良いか悪いかは別として)



まとめ


総評としては、本家も宝塚も良くできている作品でした!

(お互いに都合の良い場面も多いですがw)

しかし、見比べれば見比べる程に、(宝塚の方は見れてないけどねっw)

「あれっ、この公演ってだいぶ省エネ感ありませんか?」

っと思ってしまうほどに中身が全く変わらないんですよね。

月城かなとのお披露目への負担を少しでも減らそうとして、映像作品の原作あり公演にしたのでしょうが、全体的には本家の模倣をしているだけの中身になってしまってるんですよね。

もちろん、完コピするのも技術がいる事ですから、それはそれでいいんですが、

トップに、目立った特徴が無いなかでの模倣作品は当座を乗り切るにはいいのですが、次回以降の公演の集客に繋がるかどうかは微妙ですので、もう少し月城かなとのキャラクター像の形成に繋がるオリジナル作品が見てみたいです。

(改めて調べると月城かなとって雪組時代の『銀ニ貫』から『今夜、ロマンス劇場で」までの主演公演で、映像の無いオリジナルものを演じた事って無いんですね。驚きと共に、本人のイメージ像がモヤモヤしている理由がなんとなく分かりました。)

作品自体もですね、映像原作を宝塚に落とし込む難しさを改めて感じさせられる内容でした。

宝塚スターシステム都合での大蛇丸などのオリジナルキャラの追加などで、全体的にチープさが出てしまったりとで(もちろん、宝塚の発祥は大衆演劇ですし、本家自体もそんなに高尚な作品という訳でもないですが)、見比べてしまうと本家の方が完成度は高いな、と思わざるを得ないんですよね。

オリジナルソングや本家の演出を舞台なりに構築するなどの良い工夫も多く見受けられたが、そこまでするなら別箱公演でキャストを本家通りに絞りつつ、話の深堀やオリジナルのサイドストーリーを加える等の脚色の方が、この素晴らしい作品をもっとブラッシュアップ出来たのではないかなと考えちゃいます。

何はともあれ、まだ本家を見ておられない方は、このいつまでも宝塚版の円盤が発売されぬモヤモヤ期間にぜひご覧くださいませ。


駄文長々失礼いたしました。それでは皆様、劇場でお会いしましょう。



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